病気の有無を調べる「検診」は予防医療の手段の一つ。慶應義塾大学病院の検診の歴史は1966年開設の財団法人慶應がんセンターによるがん検診から始まり、4年後には財団法人慶應健康相談センターを設立し、人間ドックもスタートさせた。2012年には大学病院内に「予防医療センター」を開設。2023年11月、同センターはさらなる予防医療の発展を目指し、麻布台ヒルズに拡張移転し、予約枠の拡大や最新医療機器の導入など医療サービスの質向上を図っている。
大学病院がある信濃町キャンパスから今回「街」へ出ていく決断をした大きな理由は、Green & Wellnessの二つを柱に 「Modern Urban Village」をコンセプトに掲げる「麻布台ヒルズ」が、慶應義塾が目指す未来型予防医療の舞台にふさわしいことだった。今後、慶應義塾と麻布台ヒルズプロジェクトを展開する森ビル株式会社のパートナーシップにより、予防医療センターを中心にフィットネスクラブや飲食店などとも連携して、街全体で一人一人の健康をサポートしていく。また慶應義塾と森ビルによる共同研究講座を開設。多様なライフステージにおける健康課題を把握し、ウェルネス、ウェルビーイングに関する研究成果を広く社会に還元していくことにより、予防医療のさらなる学際的な発展を図る。麻布台ヒルズという新たなステージを得て、慶應義塾の予防医療への情熱は、世紀を超えて次の100年に受け継がれていく。